一ノ瀬 正樹/著 -- 東京大学出版会 -- 2011.1 -- 114.2

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所蔵館 所蔵場所 請求記号 資料コード 資料区分 帯出区分 状態
館内 地下書庫 /114.2/イ11/ 900003526 一般 利用可

資料詳細

タイトル 死の所有
書名カナ シ ノ ショユウ
副書名 死刑・殺人・動物利用に向きあう哲学
著者 一ノ瀬 正樹 /著  
著者カナ イチノセ,マサキ     
出版者 東京大学出版会
出版年 2011.1
ページ数 17,377,14p
大きさ 22cm
一般件名 生と死
NDC分類 114.2
内容紹介 死刑、安楽死、戦争など、様々な倫理的問題に潜んでいる虚構とは? 「人格」「権利」といった近代的概念をとおして「死」のありようを問い直し、法的領域と人文的領域をとらえて、死生をめぐる実践的課題を哲学する。
ISBN 4-13-010119-6
ISBN13桁 978-4-13-010119-6

目次

序章 「涙の哲学」に向けて
  1 泣くという作用
  2 「涙の哲学」のプログラム
  3 死という喪失
  4 パースペクティヴの反転
  5 人称の交錯
  6 彼岸視点/現世視点そして「死の所有」
第1章 死刑不可能論
  1 死という逆説
  2 死刑の迷宮
  3 人格に対する所有権
  4 人格と生命の相違
  5 所有権の喪失としての刑罰
  6 死刑の残虐性と恣意性
  7 誤判と抑止効果の問題
  8 安楽死や自殺への結合可能性
  9 死刑存廃論から死刑不可能論へ
第2章 「死ぬ権利」の欺瞞
  1 死者のパラドックス
  2 安楽死論争の構図
  3 「殺すこと」と「死なせること」
  4 「殺すこと」へのためらい
  5 自己決定の倒錯
  6 所有権の捏造
  7 「死者のパラドックス」から「死の所有」へ
第3章 生命倫理と死ぬ主体
  1 伝統と変化の交錯
  2 主体性の交錯
  3 代理母と親概念の変容
  4 遺伝子の共有
  5 死にゆく人からの誘引
  6 「自己決定」をめぐる係争
  7 「人格」概念への揺り戻し
  8 「パーソン論」の欺瞞
  9 響き合う「人格」
第4章 殺人者の人格性
  1 「殺すこと」の日常性
  2 尊厳性を損なう負性のパラドックス
  3 人格性の神話
  4 虚構性の空転
  5 繁殖への衝動
  6 明快性に潜む罠
第5章 殺された人の非存在性
  1 「殺された人」への死後表現
  2 エピクロスの死無害説
  3 死の恐怖
  4 被害者の非存在
  5 殺人の被害性
  6 害グラデーション説
  7 一人称的経験の仮託
  8 死者のオントロジー
  9 「死の所有」と因果的哀切の想い
第6章 戦争という法外な殺戮
  1 殺人と戦争の懸隔
  2 正戦論からユートピア論へ
  3 「正当な戦闘行為」の亀裂
  4 戦争の常在性
  5 戦争の称賛
  6 攻撃性の進化理論的効用
  7 戦争犯罪の問題
  8 「涙の哲学」への回帰
第7章 動物たちの叫び
  1 隠蔽された日常性
  2 動物実験という問題
  3 動物実験のモラル
  4 「モラル」を語ること
  5 義務説
  6 動物権利論と動物解放論
  7 自体的「動物の権利」
  8 権利の競合
  9 派生的「動物の権利」
終章 死に基づく認識論
  1 認識と同一性
  2 「ピュシス」と「ノモス」
  3 認識の基盤としてのパーソン
  4 パーソン分裂の深層
  5 応報的均衡の観念
  6 死刑を支える「死の所有」の虚構
  7 身近な存在者の死
  8 「別離」の瞬間